拾年先の折は

言葉の言枝の言幹の言根の植わった土を翻訳するために。

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快晴。昨晩の錬肉工房「春と修羅」の舞台の静けさを懐かしむ。それは意味の重荷をもたない音や声の静けさ。そんな音の響が空間に限りなく飛び交っていてあちこちで響の粒子が衝突し我々の耳にも聞こえる私信めいた言葉のかたちをとる。私を経由してどこかへ流れていく私信だ。私にも読めそうな文字で書かれているが、その本当の受取人は紙面の文字を模様か何かのように眺めて送り主のことを懐かしむだろう。

言葉の言枝の言幹の言根の植わった土を翻訳するために。