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拾年先の折は

言葉の言枝の言幹の言根の植わった土を翻訳するために。

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快晴。S宅からの帰り道チョコバーが食べたくなりコンビニで購入。そのあとはハンバーガーが食べたくなる。バーガーキングでチーズワッパーを食べる。決して安くない大きくて食べ応えがある。座った席から女子大の付属校の生徒たちがぞろぞろと駅に歩いていくのが見える。帰宅の時間か。女子高生が学校帰りにつまむにはワッパーは大きすぎるから、彼女たちは駅のマクドナルドに行くだろう。食べ終わって電車に乗り、降りる。バーガーづいていたようなので、マクドナルドのカルビマックとエグチを持ち帰りで買う。どちらもがっかりする品だった。カルビマックは焼肉ソースのようなものがしみったれた量しか乗っていないし、エグチの目玉焼きはビニール包装されているかと思うほど表面が焼き固められている。

 

郵便受けに身に覚えのない荷物不在票があって、送り主がぼくと同じ名字なので実家に問い合わせたが知らないという。親戚からかもしれないが、住所を教えた覚えもない。とりあえず冷蔵食品なので、受け取ることにする。19時に宅配便が届く。すこし警戒しながら受け取る。大きい段ボール箱だが重くはない。送り主はいわきの親戚だった。「鮮魚」とある。そこではっと思い出した。前回の帰省中に、その親戚のおじさんと魚の話になったとき、ぼくは蟹味噌は好きだというと、なら今度送ってやるといっていた。住所もその時教えた。発泡スチロールの箱を開けると、蟹味噌どころか、まるごと三杯、毛蟹が入っている。つつくと動く。しばらく蟹のもぞもぞ動くのを眺めながら途方に暮れた。スマホで活きガニの処理の仕方を検索し、いますぐ活きじめにしたほうがいいのか、明日までほうっておいてもいいものか、次の動きかたが決められないまま、箱を閉じた。

言葉の言枝の言幹の言根の植わった土を翻訳するために。